人生後半戦の暮らし方

形から入る暮らし方

シンプルライフはIKEAMUJIの家具や雑貨を揃え、オシャレでスタイリッシュな暮らし方をすることだけではありません。このようなアプローチもあれば、形から入るのではなく考え方から入る場合もあります。



持たない暮らし

私の場合は後者の「考え方から入る」です。もちろん若い頃はアメリカ西海岸から東海岸の流行り、イギリスのブリティッシュトラッドに興味を持ち、北欧デザインへといざなわれました。暮らし方を変えたのは、50歳を過ぎて両親の本格的な介護が始まり「持たない暮らし」へと一変せざるをえなかったのです。

場所と時間がない

モノを持つということは、モノを保管する場所とモノをメンテナンスする時間が必要になります。介護の現場となった実家で暮らすようになって、場所がなくなったこと、時間がなくなったことで暮らし方を変えなければならなくなりました。 

モノを少なくする

限られたスペースにモノを保管するには、モノを小さくするか、モノを少なくするしかありません。最初は手放すものを選んでモノを少なくしていきましたが、選ぶたびに迷いもあり思うように進みませんでした。ないはずの時間もかかりました。




考え方を変えることでモノが少なくなった


必要なモノだけにする

「モノを少なくする」という考え方を止め、「必要なモノだけ持つ」という考え方に変えました。実家に自分のモノを保管できる場所は限られていたので、必要なモノだけを持って実家で介護生活を始めました。

定期的な作業が必要

そうすると「必ず必要なモノ」というのは意外と少ないことが分かりました。例えばカッターシャツも2~3枚あれば十分ですし、ズボンも2本あれば間に合いました。その代わり定期的な洗濯、つまり定期的な作業が必要になりました。

時間の問題が生じた

自分で洗濯することはあったものの定期的というよりは、汚れたら洗う、溜まったら洗うというサイクルでした。定期的に洗濯するという一連の作業は、定期的に時間が必要だということです。「必要なモノだけを持つ」ことで場所の問題はクリアできたものの今度は時間の問題をクリアしなければならなくなりました。

洗濯という作業

洗濯を自分で行わないことも考えましたが、介護に洗濯は付き物です。洗濯という一連の作業を考え、乾燥機を買い、収納方法も畳む作業を少なくし、洗濯後のしわが目立たないように洗剤と衣類の材質を変え、収納場所も変えました。これで作業時間は格段に短くなりました。

便利家電を買う

洗濯という作業を見直したことで乾燥機を増やすことになりました。同じように実家の家事と介護全般を見直し、場所と時間に工夫を加えることができるようにしました。両親は家の中が変わることに難色を示したので、スムーズにはいきませんでしたが。




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洗濯機から食洗器、暖房機、掃除機、介護用ベッド、介護用福祉車両などと、お金をかければ便利な時短ができるモノはたくさんあります。現在ではこれにAIさながらのIoTが加わりさらに便利になっていると思います。

うかつだったのは、介護が長引くにつれてこれらのモノと以前から実家に合ったモノが共存することになり、保管する場所とそれぞれのメンテナンスに時間が取られるようになってしまったのです。

自分のモノは「必要な持つだけを持つ」ことで結果的にモノが少なくなりました。ところが時間を節約するためにモノが増えてしまったのです。さらにモノに執着する両親とのコミュニケーションがうまく取れなくなってしまいました。

モノを減らさずに場所を広く使い、時間をかけずにモノを減らすことへの挑戦がはじまったのです。次回からはそんなすったもんだ生活の成り行きとシンプルな暮らしにたどり着くまでをお話ししたいと思います。