人生後半戦の暮らし方持たないから始めるシンプルライフ #5 介護とシンプルな暮らし方の巻

シンプルな暮らしのルール 
シンプルな暮らしを行っている人にはルールがあります。私にもシンプルな暮らしを送るためのルールがありました。「ありました」という過去形なのは、介護を10年間行ってみてルールに変化が起きたからです。



必要ないモノを捨てるという豊かさ


必要なモノだけ

実家には食材を始めとする生活用品のストックが山のようにありました。ストックしていたことを忘れてまた買い足す、ストックの山の中から欲しいものが見つからないからまた買うという状況でした。必要なモノをだけ買い足すのではなく、必要以上にモノを増やした結果です。

捨てる抵抗症候群

最初は必要な分を残して処分すばよいと廃棄していたのですが、両親は「捨てるのか?」と半分怒り声で止めようとしたものです。案の定、処分したつもりが一週間後にはまた増えているということが続きました。ゴミとして出したものを回収しに行ったこともあったようです。

豊かさの違いに気づく

今では必要な時に必要なモノを買うことができますが、両親が育ったころ、私が幼少のときにはきっと必要な時に必要なモノを買うことができなかったのかもしれません。人間は豊かさに憧れます。両親にとってはモノを持つこと、モノが増えることが豊かさの証でした。

モノが少なくなると

このことに気づいてからモノを捨てるのではなく、当面の間に使う分と使わない分を別々に置くことにし、使わない分はストック場所に移すようにしました。モノを捨てているのではないということが分かると、両親は落ち着きが出てきました。介護で大切なのは体を動かすときのサポートだけでなく、心のサポートも大切なのです。




好きなモノは見えるところに置けばよい


問題ではなく課題

使う分とストックする分の置き場所を分けたことで、両親が暮らしている場所は広くなりました。移動大作戦は成功したかのように思えましたが、すぐに次の課題が出てきました。問題と考えずに課題と考えるのは仕事上の癖で、問題は正解を見つけようとするけれども、課題は改善し続けるという考え方からです。

好きなモノを手元に

母親は服飾が好きなので、着る着ないにかかわらず見えるところに気に入っている服を置いておきたかったのです。父親は無趣味でしたが、テレビ・新聞・ラジオは常にそばになければ不安な人でした。着終わった服、読み終わった新聞を片づけると「まだ置いとけ」と必ず言われたものです。

いつまでも使わない

「いつか使うは、いつまでも使わない」と言われることもあります。両親にとって「いつか使う」はそこにあれば落ち着くという意味だったのです。そこで母親がいつも居るところから見える場所にハンガーラックを置き、父親にはキャスター付きのラックを用意しました。

見えるところに置く 

ハンガーラックにかける服の量も、キャスター付きラックに載せる小物の量にも限りがありますが、見えるだけで安心したようです。使わないモノはストック置き場に移動するか、収納スペースにしまいました。これで介護スペースの広さを確保しました。両親が欲しいと言われたときにどこに何があるかわかるように整頓しておくことで安心したようです。




状況が変わればルールも変える


ルール1:必要なモノに量の制限を設ける

必要なモノには「いつも使う」と「いつか使う」の2通りがあります。シンプルな暮らしではいつも使うモノに焦点を当てて考え、いつか使うモノは持たないという考え方に私はなっていました。この考え方が「持たない」のではなく必要な時に取り出せるようになっていればよいという考え方に変わりました。

ルール2:好きなモノは見える範囲に置く

好きなモノがあると心が落ち着くこともありますし、落ち込み気味の気持ちが少しは明るくなることもあります。それが好きなモノの役割りであることに気が付きました。好きなモノは「使う」という意味では必要ないかもしれませんが、目に見えるところにあるだけで安心という「心」のためには必だったのです。

ルール3:モノを捨てるのではなく空間を作る

両親の介護に必要なのは介護スペースという空間でした。空間を作るためにはモノが多すぎたのです。「捨てる」というのは空間を作るために1つの方法であって、移動することで二度手間にはなりましたが、「捨てる抵抗症候群」にはこの方法が適していました。



シンプルな暮らしのルールは人によって違います。自分のルールが誰にでも当てはまるということはありません。状況が変わればルールも変える、そんなことに気づかされた介護生活でした。

次回ももう少し介護で変わった「シンプルな暮らしのマイルール」についてお話ししたいと思います。