統計からみた我が国の高齢者 ~ 生活と暮らし方(1)
9月16日に総務省統計局から「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」というトピックスが発表されました。この資料を元にした記事をご覧になった方も多いと思います。


高齢化率とは高齢者が増えるだけではない


高齢者は3557万人

総人口は1億1642万人、65歳以上の高齢者人口は3557万人(9月15日現在)となりました。65歳以上の高齢者は前年より44万人増でしたが、70歳以上となると100万人増となります。これは団塊の世代であるボリュームゾーンが昨年から今年にかけて69歳から70歳になったことに起因します。

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高齢者のイメージ

「高齢者」というイメージは人数が多い年代を思い浮かべてしまいますので、団塊の世代=高齢者というイメージの人もいるでしょう。人生100年時代と言われる昨今では65歳から35年以上も高齢者という呼び方が付きまといます。高齢社会を考えるときはイメージよりも数字で考えることが大切です。

高齢化率28.8%

高齢化率の計算の仕方は次のようになります。

  • 高齢化率 = 高齢者人口 ÷ 総人口 × 100 

高齢化率が上がる原因は、a)高齢者人口が増える、b)総人口が減る、の2通りが考えられます。現在、日本で起きている高齢化社会はこの2つの原因が重なっています。

70歳以上の高齢化率

2017年と2018年の高齢化率を計算してみると次のようになります。

  • 65歳以上  2017年 27.7%  2018年 28.1% 
  • 70歳以上  2017年 19.8%  2018年 20.7% 
  • 75歳以上  2017年 13.7%  2018年 14.2% 

今後も団塊の世代が70歳以上に移行することから70歳以上の高齢者の割合が増え続けます。さらに男女とも健康寿命が70代前半に訪れますので、75歳以上高齢者の割合を注視していく必要があります。




「高齢者の社会」での生活と暮らし方の変化


女性の割合

社会制度は男女平等が旨とされていますが、男女の性差を考慮しても男性優位の社会が未だに続いています。15歳~64歳の男女比と65歳以上の男女比は次のようになります。 (女性を100とした場合のd南西の比率)

  • 15歳~64歳  女性 100 男性 102.4 
  • 65歳以上   女性 100 男性 76.8
  • 70歳以上   女性 100 男性 71.5
  • 75歳以上   女性 100 男性 64.6
  • 80歳以上   女性 100 男性 55.8

高齢者の社会

高齢社会ではなく、人口の28.1%を占める「高齢者の社会」は女性中心の社会になります。女性中心の社会とは日常生活の家事などのことだけではありません。80歳代には2人に1人が女性の社会となり、特に医療と介護は女性に適した環境を整える必要が出てきます。また年金制度も厚生年金(共済年金)のように第3号被保険者として年金に加入していた場合は遺族年金の知識も必要になります。

家計の消費支出

家計の消費支出は高齢者世帯(世帯主が65歳以上である2人以上の世帯)と非高齢者世帯(世帯主が65歳未満の世帯)を比較すると支出の変化が見えてきます。圧倒的に増加するのは保険医療費費ですが、保健医療サービスの他に健康保持用摂取品(健康食品など)が2.33倍となります。他にもスポーツ施設の使用料も増えることから、高齢者の健康に対しての関心が高いことが家計支出からもわかります。


ネットショッピング

高齢者はデジタル社会には馴染みがないと思いがちですが、2017年にはネットショッピングの利用割合が18.2%となっています。利用の多い品目は食料・旅行関係費となっており、医薬品・健康食品においては非高齢者世帯の1.64倍となっています。健康食品を爆買いしているということではなく、供給側も高齢者に向けての商品を多く提供しているからでしょう。




高齢社会でも高齢者の生活は悪くはない


2018年になって景気が上向きになっていると言われるものの今ひとつ実感がわかない人もいるかもしれませんが、高齢者にとっては生活費を年金で補うことができ、さらに医療サービスを受けながら健康維持に努めることができるのであれば、現段階では高齢者の生活は悪くはないと思われます。

今回は総人口に対する高齢者(65歳以上)の割合を見て高齢社会と称していることと、高齢者の社会は女性中心の社会になることが統計資料から読み取れました。また家計消費においては医療サービスと健康サービスに多くの消費が費やされているとがわかりました。

高齢者は消費支出が少なると考えられていますが、消費支出が少なくても高齢消費者の人数が多ければ一定の消費割合を保つことができます。あまり関係ないように思えていたネットショッピングの利用率も上がっていることからも、これからは高齢者向けというよりは高齢者も使えるデジタル商品・サービスが増えてくるのではないでしょうか。

あまり悪いことはないと思える高齢者の生活と暮らし方ですが、次回はどのような生活と暮らし方が望ましいのかを考えてみたいと思います。